【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「どうしたの、顔赤くない?」
ううん、すっごい赤いよ。
「……赤くもなるだろ!」
「なんで?」
「歴代告白で一番きたかもしんない。ドキドキした……」
ナギちゃんは胸に手を当てて笑っている。
「そんなこと言われたら照れる……」
すっごい褒められた。
両頬に手を当てて大喜び。
さすが漫画。恋愛上級者の先人たちのやることは違う。
「お前なんでそんな可愛いの?」
髪をくしゃくしゃっとされて、あたしはへへっと笑う。
なんか今日はよく褒めてくれるなぁ。
「でもこの告白は、灰野にはしない方がいいと思う」
「え、だめ?」
「絶対だめ」
どのみちできないけど。
そう思ったら、ぼふっと頭にナギちゃんの手の平が乗った。
「俺、なんか虚無感はんぱねーから部室行くわ」
バイバイと先を歩いて行くナギちゃんを見送る。