【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「痛くないの?」
「平気平気」
「強いなぁ。誰かを助けて事故に遭ったって……?」
「あーいや、そういうわけでも。てか俺心配してたんだって。灰野とどうなった?」
予想外の言葉に面食らって、くらっとするよ。
「こんな時に人の心配しなくていいよ!」
「いやするだろ。電話もしようと思ったけどスマホバッキバキになっちゃって水たまりにボチャンだし、データ全部飛んじゃって。ごめんな」
「だからごめんじゃないって……。もう、ナギちゃんは」
呆れて笑うあたしにつられるように、ナギちゃんはへらっと笑った。
「でもそんだけ胡桃が元気ってことは、灰野とちゃんと話せたってこと?」
「うん。仲直りは出来たと思う。ありがと、ナギちゃん……」
「ならよかった。お、これ読みたかったやつ」
あたしが差し入れた雑誌を顔の横に置いて、寝転びながらペラペラとめくり始めた。ナギちゃんの笑みはゆっくりと消えて、雑誌に集中していく。