【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。

カチカチカチとペンの頭を押すけどもう芯切れみたい。


あ、あれ?シャーペンの芯忘れてきちゃった。


「ゴメン灰野くん、シャーペンの芯ある?」

「あーうん、そこの引き出し・」

「伊吹ー!ちょっとおやつ用意したから取りにきなさ―い」

灰野くんの声を遮るように、灰野くんのお母さんの声が飛んできた。


「うるさ……。ちょっと取って来るね。芯はその机の一番上の引き出しにあるから取って」


そう言って、灰野くんは部屋を出て行った。


ええっと、一番上の引き出し。

ゆっくりと開けると、すぐにシャーペンの芯が入ったケースを見つけられた。


あたしの3倍綺麗に整頓されてる。

灰野くんってキレイ好きなのかなぁ。


机の中から芯のケースを取り出したとき。


目に入ったのはキラキラしたピンク色の可愛い箱。


灰野くんにしてはファンシーな猫の絵が描いてあって……。

お菓子かな?


なんとなく手を伸ばしてしまった。


そしてなんとなく、その開きかけの蓋を開けてしまった。


「……えっ」


これって……。


サーっと体が冷たくなっていく感覚。


これって、いわゆる避妊具。


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