【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「あたし、他のクラスとかはわからないや」
「そっか。わかった」
ありがと、と廊下に行こうとしたとき。
「待って、ねぇ合コンに行くって……本当?」
「え?」
「また、あたしたたち別れちゃったの……?」
濡れたまつげにきづいてぎょっとした。
また俺泣かせたの?
「別れてないだろ」
「じゃあ、合コンって何?」
「行かないって俺は」
「でもさっき聞いちゃったもん」
「俺はちゃんと断ったよ。藍田さんがいるから」
「そ……そうなんだ……。よかった」
しぃんと静けさが広がっていく。
「……ごめんなさい」
藍田さんの声がぽつりと消えた。
なんで謝んの?昨日のこと?
そういう聞き方が責めてるみたいに聞こえるのかな。
ナギなら、なんていうんだろう。
……わかんねーよ。俺はナギじゃないから。
だから、
「藍田さんの気持ち聞かせて」
そうできるだけ優しく言ったのに。
「……」
藍田さんは声を詰まらせる。