【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「……はぁっ、」
いつの間にか息止めてた……。
体熱い。恥ずかしい……。
両手で口元を覆って、壁に背をついてぺたんと座り込んだ、絶対真っ赤っかのあたしを灰野くんが見てる。
「……なんか落としたよ?」
すっと灰野くんが宙に持ち上げた。
灰野くんと同時にそれを見て、一気に血の気が引く。
「……だっ、だめ!!!見ないで!!」
奪い取ったそれを握りしめる手が、ガチガチ震えてる……。
もう、あたし……灰野くんの方見れない……。
灰野くんに背を向けたまま、俯いて、どくどくいってる心臓に手を当てて、落ち着こうって、
思うけど、無理……!
だって絶対見られた。
あたしの手の中にあるのは、リホちゃんからもらった避妊具。
「……あの、違ったらごめんなんだけど」
後ろから聞こえる灰野くんの声は戸惑いでいっぱい……。
「藍田さん誘ってない……?」