【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。

「なに」

「いや……。あははっ。まじで灰野って最悪だなぁと思って」

「は？」

ナギは松葉づえを大きく動かしてこっちに来ると、俺の前の席にドスンと腰を下ろした。


「胡桃から誘ってんのに、男のお前が止めるとかどうなの？」

「……」


「その気に持ってかれてお預け食らって。胡桃可哀想」

「……わかってるよ」


全部俺が悪かった。

「女に恥かかせんなよ。ダッサ」

「わかってるから」

まじでうざい……。


って、


「なんでお前がその話知ってんの？」

そう聞きながらすぐわかった。


藍田さんは、ナギにはツーツーだった。


「まじで……？」


ナギにそういう話まですんの？