クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国（パラダイス）～これってもしやシンデレラストーリー！？

「私の剣は、はったりのためのものだ。
こうしておけば、私が剣の達人のように見えるだろう？
本当はからっきしだめなんだ。」

「……そうなんですか。」

ジョナサンさんは、くすりと微笑み、アルバートさんのグラスに酒を継ぎ足した。



「それで、アルバート様…
偶然なんですが、ジョナサンさんも明日、ファーリンド行きの船に乗られるそうで…
だから、明日は、一緒に出掛けようということになりました。
彼が、馬車も準備してくれたんです。」

「……そうか。それは手間をかけたな。」

「いえ…明日はきっと乗り合い馬車は混みますから。」

当然のことながら、ジョナサンさんがいるから、いつものように情報を話すことはなかった。
ただ、他愛のない会話と食事を続け…
しばらくすると、アルバートさんとオスカーさんは席を立った。



「ネイサン、ちょっと部屋に来てくれ。」

「はい。」

きっと、今からいつもの情報交換をするんだね。
ジョナサンさんがいるから、私は行けない。
まぁ、行っても、私はいつもただ黙って話を聞いてるだけなんだけど。
仕方ないけど、ジョナサンさんとふたりっきりで残されると、なんとなく心細いような気がした。