クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?




「ありがとうございます。」

「いや…じゃあ、また明日。
おやすみ…」

「……おやすみなさい。」



しばらくして、三人が戻って来た。
アルバートさんは、私に果物と酔い止めの薬を持って来てくれた。



「アルバートさんは、本当に良く気の付く人だな。
果物なら食べられるかもしれないって、買ってくれたんだ。
今、食べるか?」

「は…はい。」

アルバートさんが持って来てくれたそれは、小さめのグレープフルーツみたいなものだった。
なんだか甘酸っぱい良い香りがする。
ネイサンさんは、ナイフを使い、器用に皮をむいてくれた。



「……美味しい!」

「そうか、良かった。
ナブラは、モルガーナの特産物なんだ。
甘くてうまいだろう?」

「はい、とても…」

「でも、高いから金持ちしか食べられないんだ。
私も城で一度か二度食べただけだ。
確か、王妃様のお誕生日かなにかだったな。」

「えっ?そうなんですか?」

それは、悪いことをしてしまった。
って、考えてみれば、ここまで来る船賃も、食事代も何もかもアルバートさんに出してもらってる。
アルバートさんって、きっと相当なお金持ちなんだね。
まぁ、それは一目見ただけでもわかるけど…
それにしても、滅多に食べられない果物って…もしかして、高級なメロンとかさくらんぼみたいなもの?
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