クローゼットに飛び込んだら、そこはイケメン天国(パラダイス)~これってもしやシンデレラストーリー!?




「ネイサン…まず、訊ねておきたいのだが…
君は、モルガーナに対してどのような気持ちを抱いている?」

宿に着き、最初にアルバートさんが切り出したのは、とても意外な言葉だった。



「それはどういう…」

「つまり、モルガーナへの忠誠心…のようなものだな。」

「あぁ……
正直言って、それはあんまりないと言えるでしょうね。
一応、城に仕えてはいましたが、それは生きるためだけのこと。
ですが、それさえもいやになり、ファーリンドに行ったくらいですから。」

「その言葉……信じて良いのだな?」

「はい。」



アルバートさん、なんでそんな話を?
アルバートさんの意図はわからないけど、なんだか心がざわざわする。



「君は、城に知り合いはいるのか?」

「はい、兵士の知り合いがおります。」

「その者と連絡を取って欲しいのだ。」

「はい、それなら簡単なことですが…彼らに何を?」

ネイサンさんの問いかけに答える前に、アルバートさんはワインを飲み干した。



「最近、城で変わったことがないか、聞いてほしいのだ。」

「アルバート様…もしや、それは魔法の復活に関する話ですか?」

ネイサンさんがそう言うと、アルバートさんとオスカーさんの顔つきが急に険しいものに変わり、その場に緊張が広がった。



魔法…?今、確か、魔法って言ったよね?
どういうこと??

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