僕の庭
「こっち。裏にまわって」


光の漏れる店の入り口ではなく、裏手に通された。
店の裏は住居になっており、その住居とは少し離れた所に、小さな小屋が建っていた。

花保理はその小屋を指差して、


「あたしは、店に一度戻って温め直してくるから。中で待ってて」


そう言うと、汁椀を持って店へと向かった。


取り残された僕は、しばらく彼女の消えた扉をぼんやり眺めていた。

つい、流されるままについてきてしまったが、よかったのだろうか。

あの娘は、この店の娘なのか。
こんな若い男を連れてきて、家人は心配するだろうに。

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