僕の庭
「あら、お金なんていいわよ。あたしが勝手に連れてきたんですもの」


「いや、そういう訳にはいかないよ。きちんと払わないと」


僕は今までの気恥ずかしさも手伝って、急くように言った。
花保理は、じゃあ……と少し考えるように小首を傾げてからにこりと笑った。


「今度、お客さんとしてまたお店に来てくれたらいいわ。常連さんが増える方が、嬉しいもの」


「え? それでいいのかい」


「うん。ダメかしら?」


「ダメな事はない。いや、うん、分かった。必ず客として来る」


こくりと頷いた僕に、花保理は嬉しそうに胸の前で手を叩いた。


「じゃあ待ってる」

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