北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅰ
「ほんとにおふたりは仲良しなんですね」
「ちがう」
「そうだねー」
 正反対の答えを出して、佐佑が累の横顔を見た。
「累が引っ越してきたのって、10歳くらいだっけ?」
「9歳。来てすぐに10歳になった」
「あー、じゃあちょうど20年のつきあいかあ」
「えっ」
 驚いた声を出した凛乃に、ふたりの視線が集まる。
「累さん、30歳ですか?!」
「8月末にねー」
 佐佑が指そうとした指を振り払う。
「同い歳だったなんて……」
「んん、維盛さんも?」
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