北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅰ
プライベートなら、気がつかないふりをして目をそらすけど、いまは仕事中だ。ご近所さんには愛想よく。会釈ともうつむいただけとも取れないような頭の下げ方をして、凛乃は中へ引っ込もうとした。
「あ、そこのひと!」
とつぜんサラリーマンが凛乃めがけて走ってきた。なぜか満面の笑みだ。
「やっ」
反射的にドアのなかに逃げる。
素早くドアを閉めてカギをかけるところまで間に合ったものの、即座にキツツキにつつかれたようなノックの連打がドアを襲った。
「すみません、ちょっとお話しさせてください。あの、おれ、あやしいもんじゃないです。セト サスケって言います。どちらさまですか? 家政婦さんですか?」
一息に言われたことを、おののく頭で吟味する。
小野里さんの知り合い? 説明したほうがいい? でも一応、小野里さんに確認してからじゃないと。
「あ、そこのひと!」
とつぜんサラリーマンが凛乃めがけて走ってきた。なぜか満面の笑みだ。
「やっ」
反射的にドアのなかに逃げる。
素早くドアを閉めてカギをかけるところまで間に合ったものの、即座にキツツキにつつかれたようなノックの連打がドアを襲った。
「すみません、ちょっとお話しさせてください。あの、おれ、あやしいもんじゃないです。セト サスケって言います。どちらさまですか? 家政婦さんですか?」
一息に言われたことを、おののく頭で吟味する。
小野里さんの知り合い? 説明したほうがいい? でも一応、小野里さんに確認してからじゃないと。