My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 2
――どのくらいの時間を掛けただろうか。
こんな重傷の治癒は俺も、おそらくはラグも久しぶりのことで、手を離したときにはお互い汗でびっしょりになっていた。
ラグはその瞬間また身体が縮んでしまったが。
「ふぅ」
「おい、終わったぞ」
そのラグの声にセリーンが目を開けた。
まず俺の治した腹に手を当て、その後で恐る恐る(俺にはそう見えた)包帯の巻かれた腕をゆっくりと天に向かって伸ばした。
「……凄いな、これが術の力か。ありがとう」
そう、小さなラグに向かい優しげに目を細め言うセリーン。
――えっと、俺には……?
セリーンはゆっくりと身体を起こしながら俺の背後にいる医者と主人にも礼を言う。
はっはー。俺は完全にスルーなんだ~。……ヤベ、ちょっと泣きそうかも。