My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 2
「――で、ラグはどこに向かってんだ? ランフォルセの方に向かうんじゃねぇのかよ」
先ほどから完全に街道を外れ雪深い斜面を登っている。
「こっちに乗り物がある」
「乗り物?」
馬、だろうか?
しかしそれなら馬と言えばいいのになぜ敢えて“乗り物”という言葉を使うのか小首を傾げているとセリーンがやっと口を開いてくれた。
「なぜこんなに早く戻って来たんだ? 私はてっきり丸1日はかかるものだと」
その声は昨夜に比べやはり覇気が無いように感じた。
「……金髪野郎だ」
「あのエルネストとかいう男か。……本当にカノンのことを見守っているのだな。お蔭で私も命拾いしたわけか」
さっきの優男のことだろうか。俺はとりあえず黙って二人の会話を聞いていることにした。
「あいつは、カノンは無事なんだろうな?」