My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 2
「あぁ。私が最後に見たときは、だが……。ただ口を塞がれ、両手を拘束されていた。それなのにあの子は最後まで私のことを気にしてくれていた」
「……アル。お前あとどのくらい力残ってる」
「あ?」
急に話を振られ俺は小さく驚く。しかしすぐに笑顔で答えてやった。
「おいおい、お前俺を誰だと思ってんの。まだまだ行けるぜ。それにカノンちゃんを取り返すまでは、ぶっ倒れるまで頑張るつもりよ俺」
ホント言うと結構きつかったが、セリーンの手前そんなカッコ悪ぃこと言えないしな。
「そのかわり、そろそろちゃんと話せよな。なんだってカノンちゃんがグラーヴェ兵に攫われる必要があるんだ?」
ラグは少し考えるように間を開けてから、答えてくれた。
「あいつが、銀のセイレーンだ」
「……へ?」
「だからグラーヴェ兵に攫われた。ランフォルセの奴らは銀のセイレーンの力を手に入れたいようだからな」
俺は不覚にも言葉を失ってしまっていた。
だ、だってそれなら俺は、つい昨夜あの伝説の銀のセイレーンと喋ったってのか?
いや、そんなことよりも、あの可愛らしいカノンちゃんと世界を破滅させると云われるあの銀のセイレーンとがどうしても合致しない。