My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 2
「信じる信じないは貴様の勝手だ」
そう冷たく言ったのはセリーンだ。
「い、いや、信じるさ。でも、じゃあお前銀のセイレーンは倒したって、あれは嘘ってことか?」
「そうでも言わないと色々と面倒だったんだ。……俺のこの呪いを解くためにはあいつの歌が必要なんでな」
そう言われて、ようやくあの堅物のラグがこんなにもカノンちゃんに執着する理由がわかった気がした。
(……まぁ、それだけじゃねぇとは思うけど)
とにかく、それがきっかけで行動を共にしているわけか。
……カノンちゃんが銀のセイレーン。
一体どんな歌を使うのだろう。二人はすでに聴いたことがあるのだろうか。
そう思ったら、早くもう一度カノンちゃんに会いたくなった。
「ランフォルセの奴らがカノンちゃんを欲しがってるってんなら、命を取られることは無いわけだな?」
「わからねぇ。あいつが役に立たないとわかったら……。だから、ランフォルセに着いちまう前になんとか取り返さねぇと」
「そうだな。で、乗り物ってのはまだなのか?」
「もう少しだ」
「馬じゃないのか? なんだってこんな街から外れたとこに……」
ラグの向かう先を見上げて、俺は気付く。この辺り一帯、樹木が不自然に倒れていることに。
嫌な予感を覚えつつラグ達について行き、その乗り物を目にした俺はとりあえずこう叫んだ。
「なんだこのでっかいのおおおおおおおお!!?」