My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 2
あいつが万物の力を断りも無く使用するのは珍しい。それでもうまく風に乗りエレヴァートの方角へ単身戻っていく。
「ったく、何やってんだあいつは! ビアンカ、あいつを追ってくれ!!」
ビアンカは俺の言葉にもすぐに答えてくれた。
――気持ちはわかる。動かずにはいられないのだ。ビアンカに乗っているのは楽でいいが、どこかもどかしい。
ラグにはなかなか追いつけなかった。どんだけ早い風を捕まえたんだあいつは!
昔からそうなのだ。羨ましいくらいにあいつは万物に好かれている。それが逆にあいつを苦しめていたとしても……。
だが結局ラグは程無くして地面に降りていった。その上空に追いつき俺もビアンカから飛びおりる。