My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 2

「ラグ先輩がおれに頼み事ですか!? わーおれ感激ですっ! 何でしょう、張り切って学長にお伝えします!!」
「例の銀のセイレーンはオレが片付けたからもう何も問題無いと伝えろ!」
「本当ですか!? さっすがラグ先輩! あの伝説の銀のセイレーンを倒しちゃうなんて、ますます尊敬ですっ!!」
「わかったな!」
「はい! 任せてくださいっ!! あ、イズにも教えてやらなきゃ! イズの奴も先輩がいなくなってとっても寂しがっててー、まぁおれほどじゃないんですけどねって、え、えぇ!? もう行っちゃうんですか!? ちょっ、ラグせんぱーーーーーい!!」

 大声で叫ぶアズに向け俺は上空から手を振ってやった。ラグはそれどころじゃなさそうだしな。
 俺よりも少し上を飛ぶラグのその真剣な表情を見上げて、俺も気を引き締める。

 ――何が何だかわからねぇが、後でちゃんと話せよな、ラグ!



 こんなに術を立て続けに使用したのはいつ振りだろうか。
 流石に全身が気だるくなり始めていたが、それよりも焦りの方が勝っていた。
 もう日は結構な高さにまで昇って来ている。ラグのポケットの中にいるブゥはすでに夢の中だろう。

 カノンちゃんが攫われて、セリーンが酷い怪我を……?

 にわかには信じられないが、背中にいる小さなラグから伝わってくる緊張感に嘘はないだろうとわかる。
 訊きたいことはたくさんあるが、それよりも今は少しでも早くノーヴァに辿り着きたかった。

(頼むから生きていてくれよ、二人とも!!)

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