My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 3
そして私たち総勢6人(+1匹)はビアンカの背に跨った。
ラグとアルさんの間に王子とクラヴィスさんが乗り、その後ろに私、セリーンという順番だ。
ビアンカは人数が増えても戸惑う様子なく、ばさりとその翼を大きく動かした。
「カノン姉ちゃん、バイバイ! お歌歌ってくれてどうもありがとう!」
モリスちゃんが可愛らしい笑顔で両手を振ってくれていた。
「バイバイ、モリスちゃん。元気でね!」
「兄ちゃん達、ありがとうな」
そうラグとアルさんに向けて言ったのはトム君だ。
「俺も、兄ちゃん達みたいに強くなれるように頑張るよ」
「いやいや、トムはもう十分強いって。これからも男として、家族をしっかり守るんだぞ!」
アルさんのその言葉に、トム君は強く頷いた。
と、そのときモリスちゃんが恥ずかしそうにトム君の前に出て、アルさんへ小さな包みを差し出した。
「お兄ちゃん、これあげる」
「ん?」
手を伸ばし包みを受け取るアルさん。
それを開けた途端、彼の顔が光り輝いた。
「ティコ入りのお菓子じゃねーか! も、もらっちゃっていいのか?」
「うん。お兄ちゃんこのお菓子が大好きなんでしょ?」
モリスちゃんの可愛らしい笑顔、そしてその傍らに立つトム君のはにかむような笑顔にアルさんは感激したように身体を震わせた。
目が潤んで見えたのは気のせいじゃなかったかもしれない。
(そういえば、ティコのためにこの島に降りたんだっけ……)
そのおかげでドナ達と出逢えたわけで。
更には銀のセイレーンについて、少しだけその謎に触れることができた。
(ある意味、アルさんには感謝しなきゃだよね)
ラグはどう思っているか知らないけれど。
そう思いちらりと彼の方を見ると、案の定呆れたふうにそんなアルさんと子供たちを見ていた。
「ありがとうな! 大事に食べるからな!!」
アルさんに笑顔で言われ、モリスちゃんもトム君も嬉しそうに笑った。
それから私も一人一人にさよならを言って、最後ドナと目が合った。