愛は惜しみなく与う②

呼ばれて振り返ると、ハゲたおじさんがいた。
おじさんの首からもあたしらが受け取った名札のようなものがぶら下がってる


しゃ、喋るのは怒られへんよな?


「は、はじめまして…」

無難に挨拶をしていると、隣の席に座ってくる
え、これ不可抗力。新に怒られたら、このおっさんのせい!


「なんの情報欲しいんだ?ねぇちゃんが望むもんなんでも持ってるぞ?どうだ?金持ちの親父の連絡先もあるぞ?」


金欲しいだろ?と札束をつらつかせる

下品な人やなぁ



「人生でお金に困ったことないしええわ。それにあたしの欲しい情報、あんたレベルの奴が、持ってるわけがない」



しっしと手で払うと、ガッと肩に腕を回される。


「ちょ、なんなん?」

「ナめてんのか?写真ばらまいて売り飛ばすぞ」

「やれるもんならやってみろ!」


と椅子から突き落とそうとしたが、騒ぎを起こすなど言われたのを思い出して抵抗を止める


「あー?なんだ?大人しくなって」

「騒いだら怒られるねん」

「は?さっきの威勢は?怒られるって誰に」

「友達、一緒にきたねん」
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