愛は惜しみなく与う②
「関西ねぇ、猫田さんはなんだと思います?」
「関西のことはあんまり詳しくねぇからなぁ。でも教えてくれた奴が、笑って言ってたぞ?また大きな事件が起きるって。全て調べ終わる前には、手遅れの状態になってるとかなんとか…」
ドクン
なんやろか
嫌な気がする
「その人、まだここにいますか?」
「いーや?見たことない奴だったが、なんて名乗ってたっけな。うーーーん」
猫田さんが頭を抱えた時
あたしの脳裏にある名前が浮かぶ
「えっと…なんだか、変な名前だった気がする。えっとー。なんかカタカナで…んーーア…アンス?いやなんだっけ」
うーんと声を出しながら悩む猫田さん
あたしは身体が少し震え出しそうになるのを抑えるのに必死だった
どくどく
心臓がうるさい
「……アンタレス」
「そうそう!アンタレスって名乗ってた!!!って、なんで嬢ちゃん分かったんだ?」
あたしが呟いた言葉に猫田さんはかぶせてきた
そうか
アンタレス
「ここにさっきまで、サトルがいた!!!!」