愛は惜しみなく与う②
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「おいおい、あいつってそんな馬鹿なの?」

「馬鹿はお前だろ」

「んだと?!」


杏は授業が終わるとヒラヒラと手を振って何処かへ行った。
とりあえず拓也を呼んで様子を見させよう

杏に限って、何かされる事はないとは思うけど、あの子はお人好しなところがあるから、騙されたりする


俺じゃバレると情けない声をだす拓也に、さっさと屋上に行って隠れとけと言うと、ピューンと走っていった


拓也は尾行などは上手いと思う

杏が鋭いだけ


朔は、女たちの呼び出しについていった杏をバカだと言うが…
まぁバカとは言わない

けど、不思議すぎる


「ねーねー泉!そういえば、泉がいない時に、朔が杏と、見つめあって顔真っ赤にして、デレデレしてたよ?」


響はそういえば!と言った後にそう続けた。
見つめあって?

どう言う状況?


「てめぇ!なんでもかんでも泉に言うな!」

「痛い!叩かないでよ!俺が泉に伝えときたかっただけだもん」

「顔赤かったのは朔だけだろ?」


そう響に聞くと、笑顔で うん! と答えた
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