クールな次期社長の溺愛は、新妻限定です
「悪かったと思ってる。汐里には何度か打ち明けようと思ったものの諸々片付いてからの方がいいと考えてた」
「片付くってなに? 私との関係を含めて?」
話せば話すほど心が冷たくなっていく。こんな嫌味っぽい言い方をして、自分がすごく嫌な人間に思えた。でも止められない。
「っ、汐里と付き合っていても、家の事情で彼女に会う羽目になっていた。余計な心配はかけたくなかったんだ」
「私、そんなに信用なかった?」
「違う、そういう話じゃない」
いつもとは異なり亮の方が歯切れが悪い。昼間とは違い、私は彼の目をまっすぐ見つめた。
「亮の態度は桑名さんに対しても失礼だよ」
「失礼じゃない。相手だってわかっている話だ。親同士が言っているだけだって」
「そうかな? 彼女は亮を本気で好きだと思うよ」
亮は知らないんだ。家のためだけに結婚しようとする女性が、わざわざ付き合っている相手に会いにくる?
亮は父親がって言っていたけれど、彼女は自分の意志で亮と結婚したいと思っている。
私はさらに畳みかけた。
「結婚するつもりはないけれど、親が言っているからとりあえず会う。別に付き合っている彼女がいて、その相手にも事情を話していない。亮の意思はどこにあるの?」
早口で捲し立てると、亮が顔をしかめて静かに首を横に振る。
「汐里に俺の家のことも抱えている事情も、なにもわからないだろ!」
売り言葉に買い言葉。まさにそんな流れだった。その証拠に、発言して亮はすぐに後悔した顔になる。
「片付くってなに? 私との関係を含めて?」
話せば話すほど心が冷たくなっていく。こんな嫌味っぽい言い方をして、自分がすごく嫌な人間に思えた。でも止められない。
「っ、汐里と付き合っていても、家の事情で彼女に会う羽目になっていた。余計な心配はかけたくなかったんだ」
「私、そんなに信用なかった?」
「違う、そういう話じゃない」
いつもとは異なり亮の方が歯切れが悪い。昼間とは違い、私は彼の目をまっすぐ見つめた。
「亮の態度は桑名さんに対しても失礼だよ」
「失礼じゃない。相手だってわかっている話だ。親同士が言っているだけだって」
「そうかな? 彼女は亮を本気で好きだと思うよ」
亮は知らないんだ。家のためだけに結婚しようとする女性が、わざわざ付き合っている相手に会いにくる?
亮は父親がって言っていたけれど、彼女は自分の意志で亮と結婚したいと思っている。
私はさらに畳みかけた。
「結婚するつもりはないけれど、親が言っているからとりあえず会う。別に付き合っている彼女がいて、その相手にも事情を話していない。亮の意思はどこにあるの?」
早口で捲し立てると、亮が顔をしかめて静かに首を横に振る。
「汐里に俺の家のことも抱えている事情も、なにもわからないだろ!」
売り言葉に買い言葉。まさにそんな流れだった。その証拠に、発言して亮はすぐに後悔した顔になる。