クールな次期社長の溺愛は、新妻限定です
まずは手を洗おうと料理する態勢になったところで、隣にいる亮が動かない気配に気づく。ちらりと窺えば、カウンターに手を突いて彼もまたこちらを見ている。
「あの、またわからないことがあれば聞くから、とりあえず大丈夫だよ?」
「手伝う」
なにかを心配されているのかと不安げに尋ねると、表情ひとつ変えず返ってきた言葉に私は素直に驚く。
「えっ! い、いいよ。ほとんど下準備してきてるし。亮、なにか作業中だったんでしょ?」
「そこまで急いでる話じゃない」
「でも……」
言いよどんでいると、亮はカウンターから手を離しこちらに近づいてきた。背の高い彼のおかげで一瞬影ができて、視界が暗くなる。
すかさず亮の腕が腰に回され、空いた方の手は頬に添えられた。こつんと額を重ねられ、私は瞬きひとつできずに固まる。
「せっかく汐里とふたりで過ごしているんだから、一緒にいたいんだ。もったいないだろ」
怒っているのか、拗ねているのか。今度は彼の表情がよく見える。むしろ声も顔も近すぎて私の鼓動は自然と速くなっていた。
おもむろに彼の親指が私の下唇をなぞり、反射的に私は顎を引く。そしてすぐさま声をあげた。
「今日はこの前のお礼も兼ねているし、大丈夫!」
突っぱねる言い方に、亮の手も離れる。けれど今度は私が亮に手を伸ばした。
離れた手を取る勇気はなくて、腕というより彼の服を掴む。少しだけ目を丸くした亮と目が合い、私は反射的に目線を落とした。
「あの、またわからないことがあれば聞くから、とりあえず大丈夫だよ?」
「手伝う」
なにかを心配されているのかと不安げに尋ねると、表情ひとつ変えず返ってきた言葉に私は素直に驚く。
「えっ! い、いいよ。ほとんど下準備してきてるし。亮、なにか作業中だったんでしょ?」
「そこまで急いでる話じゃない」
「でも……」
言いよどんでいると、亮はカウンターから手を離しこちらに近づいてきた。背の高い彼のおかげで一瞬影ができて、視界が暗くなる。
すかさず亮の腕が腰に回され、空いた方の手は頬に添えられた。こつんと額を重ねられ、私は瞬きひとつできずに固まる。
「せっかく汐里とふたりで過ごしているんだから、一緒にいたいんだ。もったいないだろ」
怒っているのか、拗ねているのか。今度は彼の表情がよく見える。むしろ声も顔も近すぎて私の鼓動は自然と速くなっていた。
おもむろに彼の親指が私の下唇をなぞり、反射的に私は顎を引く。そしてすぐさま声をあげた。
「今日はこの前のお礼も兼ねているし、大丈夫!」
突っぱねる言い方に、亮の手も離れる。けれど今度は私が亮に手を伸ばした。
離れた手を取る勇気はなくて、腕というより彼の服を掴む。少しだけ目を丸くした亮と目が合い、私は反射的に目線を落とした。