あやかしの集う和菓子屋にようこそ
また悪口を言われてしまいました。私は声を上げたいのをグッと堪えます。それでも、痛みは取れることなどありません。

「私の大事な息子がずいぶん前に結婚したの。相手は全くいい家の人間ではないけど、息子が選んだのだからと仕方なく結婚を認めたわ。でもね、その女は詐欺師だったの!子どもを産むことができない体だったのよ!だから慰謝料ということでこのエメラルドのネックレスをもらって離婚したわ!」

その後、そのお嫁さんは事故で亡くなり、それから怪奇現象が起きるようになったそうです。本棚から本が落ちたり、ラップ音が夜中じゅうずっと聞こえてきたり、最近ではそのお嫁さんの霊が姿を見せることもあるそうです。

「とにかく、早く何とかしてちょうだい!!いいわね!?」

女性はそう言い、和菓子屋から出て行きました。あまりの理不尽さに、私は驚きを通り越して呆れてしまいました。

「葉月、依頼を受けるつもりなの?」

沙月さんの言葉に、葉月さんは腕を組み考えます。

「あの女から強い霊気を感じた……。あの女の家に出るという霊は、強い力を持っている可能性がある。今はまだ感じなかったが、いつ悪霊になってもおかしくない」
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