副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
「決めたよ!僕は美鈴をとことんあまやかすから」

「ど、どうしてそうなるんですか?私は別に、贅沢をしたいわけじゃないんですよ?」

「そんなのわかってる。でも、僕がそうしたいんだ。美鈴が、自分のやりたいことや欲しいものを素直に言えるように、僕がしてやりたい。贅沢をさせるんじゃなくてね。言えるようにしてやりたいんだ。欲しい物は欲しい、好きな物は好きだってね」

「そんなふうに言われるなんて、思っていませんでした。こんなふうに言ってくれる人、いなかったですから」

「もしかして、美鈴はこれまでに付き合った人とかいなかったの?」

「はい。勉強に仕事に、いつも必死でしたから。たまに好意を示してくれる方もいましたが、私にそんな余裕がなかったので、断っていました」

私の言葉に、啓太さんが嬉しそうな顔をした。



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