副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
「美鈴ちゃん、なんか最近疲れてない?ちょっと痩せたんじゃない?」

「篠原さん、それ、セクハラですよ!!」

同僚の田中さんが、すかさず言い返した。

「違うぞ。心配しているんだ」

二人して、私の顔を覗き込んでくる。

「そ、そうですか?自分では変わりないつもりですが……」

「あっ!篠原さん、あれですよ、あれ!!」

「なんだよ」

「マリッジブルー!!」

そう言って、二人とも私の左手に目をやった。

本当は、デートの時だけはめるようにしたかったけど、啓太さんに強く言われて、普段からつけるようにしていた。

マイナス思考になっている私は、これを戒めだと思っていた。
勘違いしないようにと。

「なるほど、そうか!」

「ち、違いますから」



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