副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
金曜日になり、篠原さんと再びプラスoneを訪れていた。

「篠原さん、佐山さん、どうぞお座りください」

東山さんににこやかに迎えられ、ソファーに座った。
セキュリティー強化の方向性も、大方固められ、今日はさらに詰めて明確にしていく。
費用との兼ね合いも、考えていかなくてはいけない。
篠原さんのすごいところは、営業も技術的なこともオールマイティーにこなせてしまうところだ。
会社を立ち上げた当初は少人数で、全ての業務をまかなっていたため、なんでもできるようになったらしい。


仕事がひと段落し、立花さんの淹れてくれたコーヒーを飲みながら、一息ついていた。

「ところで篠原さん。来週の宮下さんのところのパーティーは参加されますか?」

「ええ。参加の予定です」

「佐山さんも?」

「はい。同行します」

「それは楽しみだ。美しい方のドレス姿を見られるなんて」

「えっ?」

篠原さんは、何かを察したようで、私を見てニヤリとした。
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