婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
「これはコーヒーという飲み物じゃ。お湯沸かして挽いた豆入れて煮出したんだよ。煮出しコーヒー」
「こーひー?」
「…天界にはまだないっけな。気候的に迦楼羅王領で栽培して欲しいってお願いしてるんだけれども」
「これも人間界の飲み物?!」
「おー」
「えっ!いただきます!……熱っ!」
「入れたてだからヤケドすんなよー」
人間界で栽培されているコーヒーは、ちょっぴり苦かったけども。
香りに包まれると、心がホッと落ち着いて安らぎを与えられたような気分だった。
太陽もすっかり顔を出して、青空一色が広がる中。
私と豹牙は、キャンピングチェアに腰掛けてコーヒーを飲みながら寛ぐ。
「…で、これからどーすんのよ。おまえ」
「………」
豹牙は、自分の膝の上で寛ぐぽめのもふもふの毛を梳かすように撫でながら、私に問う。
「どうって…」
「竜王とのことだい。謝罪して戻る?」
その問いには首を横に振る。