婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
「まさか。あんな事しでかしておいて、今更竜宮には戻れないよ。やっぱり、婚約解消はお兄様に頼んで進めてもらう」
「おや。名前叫ぶくらい大好きなのにかい」
こくんと頷く。
…この結論は、先のように感情高ぶって勢いで突っぱねたモノではない。
テントの中で浅い眠りに微睡みながらも、冷静に考えて出した答えだ。
「好きだけど…やっぱりどう考えても無理。側室の存在に寛大になれるほどの器は私には無いよ。…私は竜王の正妃そのものの器じゃなかったんだと思う」
「へー」
「まだまだ考え方が幼稚なんだと思う。それに、悪評背負ってる上にワガママあほ娘じゃ、あの竜王様には見合っていないような気がする」
今の私では、無理なんだ。
何度思い浮かべても、正妃としてあの人の隣にいる自分がどうしても想像ができない。
「…私も大人にならなきゃ。竜王様にはきっと、相応の御方が他にいるよ」
「ほー。自分が頑張って努力して相応になろうとは思わないのか。…ほら、綺麗になってイイ女になって見返してやるー!みたいな?」
「もし、私が努力してそうなったとしても、側室は無理だもん」
「あ、そうか」