婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
この焼き色と香りに食欲をそそられてしまい、今度は私がはしゃいでしまった。
豹牙は「ケーキ入刀!」と、ナイフで焼けた丸鶏を切り分けている。
「ほら」と切り分けた丸鶏を乗せたお皿を渡された。
またフワッと良い香りがしたので、思わず匂いを嗅いでしまう。良い香り…!
そんなのすぐに食べるしかない!と、かぶりついた。
「あふっ…んんんん!美味しいぃっ!」
予想以上に熱くてビックリしたが、外はパリパリ、中はフワフワで肉汁が…!
そして、美味しい…!
私の興奮する様子に豹牙がニヤニヤと楽しそうに笑う。
「だろー?俺も最初食べた時は感動したもんね。ファンタジスタ!みたいな?」
ふぁんたじすた…何?
でも凄い。凄いよ人間。
野営でこんな豪華で美味なモノを作るだなんて…!
人間万歳。
そうして、私のビア缶チキン初体験は、感動の嵐という結果になった。
あんなに大きかった丸鶏は、缶ビールで乾杯した二人であっという間に食べ尽くし。
気付けば辺りはもう夜になっていた。