婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
「…確かに、そんなビッグネームの女性、側妃や寵姫には出来ん。だから【不貞の子】か」
この天界は、神力を持つ貴族、八部衆の一族や天部衆、将軍族らは、神力発展のため側妃や寵姫を自由に持つ権限が与えられている。
その為には、誰かの奥さんをも公式寵姫として認められる。
だが…経緯が経緯だし、天界を追放になった罪人、ビッグネームを公式の寵姫にすることは出来ない。
だから、羅沙は母親不明、不貞の子として周りから指を差されて傷付く思いをするしかなかった。
「羅沙はこの事をまだ知らない。だから言うなよ」
念のため、豹牙に釘を刺しておく。
だが「言えるか!そんなこと!」と、多少慌ててる様子を見ると、こいつもそれなりに常識的ではあるのだと変に感心してしまった。
「じゃあ、『闇』の神力は鬼子母神ルーツってこと?…それにしても、なぜ羅沙は天界の実父、夜叉族にいるんだ?鬼子母神は人間界の時空の狭間に住んでるはずだろ?」
「………」
「それに、自分の産んだ子は絶対に手元から離したくない。だから、吉祥天やあの稀代の悪女を天界に出仕させる時もかなり渋ってたという話だぞ?なのに、何故羅沙をみすみす手放した?」