目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
買ったばかりのSUV車を玄関先に回し、少し緊張した面持ちの百合を助手席に誘う。
乗る瞬間、白のノースリーブのワンピースがフワリと揺れ、仄かにフルーティー系の香りが鼻をかすめた。
百合と言う名前だからといって、フローラル系が好きとは限らない。
甘く優しいフルーティー系の方が好きなんだなと、一つ知った百合の情報を心の内に記録した。

「えっと……すごく高そ……いえ、素敵な車ですね?」

何か言わなければ、と思ったのか、百合が突然車を褒める。
「高そう」を言い直したのは、失礼だと思ったのだろうか?
そんなうっかりな所も、可愛らしくて堪らないんだが。
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