目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
一色の元々の実家はかなりの田舎にある。
会社のある町から車で約二時間。
内陸に向かって山道を行くとその場所はある。
俺も子供の頃、何度か行った記憶があるが、それも数えるほどしかない。
もちろん母親と一緒に行ったのであって、父と来た記憶など全くなかった。
山あいの小道に入り、どんどん登ると、小さな平屋が見え俺は車を停めた。

「ここ……かな?」

新しく建てられた平屋の場所はナビには入っていなかった。
三国さんに詳しい地図を書いてもらったのが幸いしたな。
だが、他に家もないし、新築という手掛かりがあるならわりとすぐ見つかったかもしれない。

「降りようか」

「う、うん」
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