目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
一色さんのプロポーズを受けて、何故かいろいろ早く進めたがる彼とすぐに籍を入れた。
結婚式は大学を卒業した4月に神社で挙げ、皆に祝福してもらってとても素敵な式になったと思う。
新婚旅行は家族の思い出の場所、サントリーニ島。
母と父との思い出の場所は、私達家族の新しい思い出の場所として上書きされた。


絵にかいたような幸せ。
ってどんなものだろう、とずっと思っていた。
でも、今、自分が手に入れているものがそうなんだとやっと気付く。
父が亡くなり一人になって、一色さん……蓮司さんが現れて、私を救ってくれた。
きっと、蓮司さんを連れてきてくれたのは、父だと私は考えている。
最初に家に彼を連れてきたのも父だったし、今回もそう。
亡くなっても、私のことが心配で、いてもたってもいられなくなったのね。
霊体の父が、蓮司さんを動かそうと奮闘する場面を思い浮かべると笑いが込み上げる。
だけど、そうであっても、そうでなくても。
父に対する感謝の思いは変わらないし、ずっと覚えてるし絶対忘れない。
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