目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
「百合、明日から俺一週間出張だけど、大丈夫?」

「………へ?」

蓮司さんに話しかけられて、またお鍋をかき混ぜながらぼーっとしていたことに気付いた。
どうやら気付かないうちに仕事から帰ってきてたみたい。
それにしても、玄関が開く音がわからなかったなんて、ぼーっとするにもほどがあるよ……私。

「へ……って。もう、心配だなぁ。一人で留守番なんてさせたくないんだけど……出張、付いておいでよ」

クスクスと笑いながら、私の肩に手を伸ばし長い腕で包み込む。
蓮司さんはこうしていつも甘々で困る。
特に料理中はやめて欲しい。
本当に危ないので。

「だ……大丈夫よ!ちょっとぼーっとしてただけ!」

「ぼーっとするのが心配なんだよ。俺のことを考えてるのならいいけど?」

「……ごめんなさい。父を偲んでいました……」

本当のことを言うと、蓮司さんはガックリと項垂れた。
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