目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
「妹みたいに思ってるんですって。教授にお世話になったし、ご恩返しの為らしいわ」

プロポーズされた時の私のやるせない気持ち。
同情ではないかと、疑った気持ち。
それを、同じ様に代弁してくる女の言葉に更なる嫌悪感が増す。
惑わそうとしている悪魔の声のようだと思った。

「そんなはず……」

私の反論なんてもう無視で、女は自分の言いたいことだけを捲し立ててくる。

「あの人ね、今でも私に会いに来るのよ?やっぱり君が一番だよって。お子様の相手も疲れるらしいわね」

「あなたの言ってることなんて信じません!」

やっと、一言を捩じ込んだ。
これは今の本心。
蓮司さんと生きることを決意した私の思いだった。

「………………生意気ね」

女は、低く唸るように言った。
負けじと私も毅然と返す。
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