目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
暫く受話器を握って呆然とした。
何か、自分勝手なハリケーンに直撃されたような理不尽さを感じる。
あの人は一体何をしたかったのか……。
理由が全くわからない。
でも、悪意があったのは確かで、その悪意は蓮司さんや三国さん、そして私に向いているようだった。

蓮司さんは海外出張だし、一応先に三国さんに連絡をとっておこう。
そう思い受話器を上げた時「明日の夕方にまた連絡します」と言っていたことを思い出した。
忙しい人だから、こちらから電話をするのも迷惑かもしれない。
そう考えて夕方、向こうからかかるのを待つことにした。

それから、1日の予定通り買い物に出掛けた。
当初、少し遠くまで行く計画を立てていたけど、電話の件もあってそんな気分にはなれなかった。
いつものように近所の野菜の安いスーパーと、精肉店、鮮魚店を順番に回る。
途中誰かに見られているような気がして何度か足を止めた。
たぶんそんなことはないんだろうけど、あの変な電話が私の不安を煽っているのは間違いない。
ダメだな、帰ろう。
いつもは、いろんな物を見て歩くけど、今日はどうしてもそんな気分になれなかった。
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