目覚めると、見知らぬ夫に溺愛されていました。
それから、私は蓮司さんによって相島さんの結末を知らされた。

あの歩道橋で私を突き落として逃げた相島さんは、その後も行方がわからなかったらしい。

『彼女は執念深く狡猾だ。もしかしたら、もう一度百合を狙うかもしれない』

そう考えた蓮司さんは、退院した私を別荘へと連れていった。
実はこの別荘の周囲には監視カメラが配置され、麓の街にも捜査員が何人か紛れ込んでいたらしい。

そして、地元の柾さんが街の人に協力を仰いで常時監視態勢を敷き、余所者、つまり「相島笙子」が現れたらすぐに連絡が回るようになっていた。
つまり、土地ぐるみで私は守られていた、ということになる。
それを聞いた呑気な私は、
「街を歩いてもそんなこと全く気づかなかったから、ここの人達は皆、忍者の末裔なんじゃないかな?」
なんて、ふざけたことを言ってしまい蓮司さんに苦笑された……。
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