婚約破棄するはずが冷徹御曹司から溺愛宣言されました
「お義母さんに来てもらって正解だったな。ハウスキーパーでは茉莉子の体調まで気にかけてはもらえなかったし、入院も遅れてもっと酷い状態になっていたかもしれない」

「そうですね」

 ハウスキーパーを雇うのを躊躇した本当の理由があるから、また胸の奥からもやもやしたものが広がっていく。

 時間が経てば経つほど不信感が強くなっているのは自覚している。このままではいけないのに、わざわざこんな体調が悪い時に話し合いたくないという気持ちがあって、つわりがよくなるのを待っている状態だ。

 この調子だとまだまだ先になりそうね……。

「でも茉莉子が戻ってくるまではハウスキーパーを雇おうかと思っている。お義母さんを家政婦のように扱うのは気が引ける」

 それもそうよね。私が家にいるからこそお母さんにお願いしたわけだから、新さんひとりならそっちの方が気楽なのは当たり前で。

 でも、それこそ女性とふたりきりになったりする場面もあるんじゃないの?
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