婚約破棄するはずが冷徹御曹司から溺愛宣言されました
「だから今度は、婚約しながら他に女がいると匂わせて、結婚しても愛人をつくる、女にだらしがない奴だと思わせるように仕向けた」

 それが事実なら、すべてを受け入れて新さんを求める白石さんは相当な変わり者だ。もしくは、それほどまでに新さんに惹かれているか。

(らち)が明かないから俺から婚約破棄を申し入れたが、美麗は白石ホールディングスの社長令嬢で、会社同士の繋がりはなくせないし、パーティーで顔を合わせる機会もある。だから縁を完全に切れない存在で、どこまでも邪険に扱うってわけにはいかなかった」

「そうこうしているうちに白石さんにほだされて、関係を持つようになったのですか?」

「なにを言っている? 美麗とは知人以上の付き合いはない」

 新さんは明らかに怪訝な顔色になった。

「好きとか言っておいて、今さら誤魔化そうとするのはおかしいのではありませんか」

 責めたりしないように、なるべく落ち着いた声で話したいけれど、どうしても語尾が荒くなってしまう。
< 129 / 166 >

この作品をシェア

pagetop