婚約破棄するはずが冷徹御曹司から溺愛宣言されました
「好きでもない人と何度も……したり、しませんよ」

 あからさまな言葉を口にできなくて曖昧になったが、新さんには伝わったはず。

「子供がほしかっただけじゃないのか」

 いまだ表情を崩さないのでさすがだなと思う。こっちは動揺しまくりなのに。

「新さんの子供がほしいんですよ」

 まさかそんなふうに解釈されているとは。

 どうして彼が事あるごとに嫌じゃないかと聞いてきた理由が分かった。

 新さんが一度も好きと言ってくれなかったように、私も伝えていないのよね。

 好きと言ってもらいたいと求めてばかりいたけれど、求める前にまず自分から告白すべきだった。

「結婚してからなのでげんきんな奴だと思われても仕方がないですが、今は新さんが好きですよ」

 私、今どんな顔しているのかな。

 顔も首も熱くなっている。真っ赤に染まっているのは確実だ。

 新さんは壊れた人形のように固まって、目を点にして私をまじまじと見つめている。視線が怖いくらいだ。

「あ、あの……」

「本当に?」

「へ?」

「俺を嫌っていないのか?」

「だから、嫌うどころか好きなんですってば」

「それならそうと早く言えよ」

 こっちは反省しているというのに、新さんは言ってもらうのが先だというような発言。
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