【女の事件】黒煙のレクイエム
第26話
ごんぞうと離婚をしたアタシは、つばきちゃんが暮らしている名古屋へ行って、新規オープンのナイトクラブの面接を受けに行った。
しかし、来て早々に面接官から『だれが面接に来てもいいと言ったのだ!?』と凄まれたので、アタシは面接官とドカバキの大ゲンカをしたあげくに再び放浪生活を送ることになった。
中卒で資格特技がない上に、シューカツでアピールできるセールスポイントがひとつもない状況下では再就職がよりむずかしいようだ。
かと言うて、高校や大学を卒業して資格特技があってセールスポイントがあっても、再就職ができると言う保証があるのかと言うと、保証がないと言うのが実情である。
名古屋で再就職をすることをあきらめたアタシは、再び関西へ引き返すことを決めて旅に出た。
アタシは、大阪と神戸の飲食店やコンビニやデリヘル店などを中心に生活のために働いていた。
ごんぞうが亡くなった時に支払われた1億円の保険金だけでも生きて行くには困らへんかったけど、知らないうちにふところからおカネが出て行くことには変わりはなかった。
アタシは、ごんぞうと離婚をしたことが原因で新しい恋を始めることも再婚をすること…そして、赤ちゃんを産んで育てることを完全にあきらめて女ひとりで生きて行くことを決意して3年6ヶ月の間生きてきたので、恋のよろこびをなくしていた。
女の幸せって…
何なのかな…
結婚をして、赤ちゃんを産んで育てて…
ダンナのためにおいしい料理を作ることが女の幸せなのだろうか…
ひとりぼっちで大阪城公園に行っていた時に、腕を組んで歩いているカップルさんをよく見かけた時に、そんなことをつぶやいていた。
幸せいっぱいのカップルさんを見るたびに、アタシはくすんくすんと泣きじゃくっていた。
恋することはあきらめた…
結婚もあきらめた…
赤ちゃんを産んで育てることもあきらめた…
女の幸せは…
みーんなあきらめたわ…
アタシは、そんなことを思いながらくすんくすんと泣いていた。
アタシは、泣きながら大沢桃子さんの作詞の歌で『恋し浜』を繰り返して歌っていた。
恋し浜は、釜石と大船渡の間にある小さな漁町(みなとまち)で、アタシがかつて暮らしていた町であった。
2008年に発生した秋葉原の通り魔事件で逮捕起訴後に死刑となった死刑囚の男の身内と父がドカバキの大ゲンカを起こした事件の後、アタシは再び養護施設に送られて約2ヶ月近く不便な生活を強いられていた。
その時に父が『新しいお母さんが見つかったよ…今度は優しいお母さんだよ…』と電話でアタシに伝えてきた。
父は、2008年7月に大船渡市内に移って新生活の準備が整えていた。
その時に、父親は新しいお母さんと再婚をしたのと同時に、アタシは盛の中学校へ転校した。
しかし、新しいお母さんとソリが合わんかったけん、イライラしてはる時に新しいお母さんに八つ当たりをしてグーで殴ってしまうことが続いていた。
父は、アタシに対して『新しいお母さんが気に入らないのだったら出て行け!!』と怒鳴りつけていた。
思い切りキレてしまったアタシは、『この家に帰ってこないから!!』と父に怒鳴り散らして家出をした。
アタシは、父と大ゲンカを起こして家出した後、ひとりぼっちでやって来た場所が恋し浜だった。
三陸鉄道の恋し浜駅に降り立った時、アタシは遠くに見える海をながめながら『アタシの本当のお母さんはどこに行ってしまったのかな…本当のお母さんはどこにいるのかな…』とつぶやきながらくすんくすんと泣きじゃくっていた。
家出をしてから10日後に、アタシは釜石の魚市場の近くの通りで警察官に保護された。
この時に、父がまた夫婦間で取り返しのつかないトラブルを起こしていたので、また施設に送られてしまった。
あの日…
アタシがひとりぼっちで降り立った恋し浜の駅からながめた海の風景は…
波静かで、おだやかな海だったわ…
アタシは、あの時見た恋し浜の駅の風景と東日本大震災の時に灼熱の巨大津波にのまれてゆく気仙沼の市街地の様子をみたことを思い出たので、『恋し浜』の歌を泣きながら繰り返して歌っていた。
恋するよろこびをなくしてしまったアタシは、知らないうちに男がらみのトラブルを繰り返すようになっていた。
アタシは、2019年6月にホストを私物化したことが原因できついはずかしめを受けてボロボロに傷ついた上にホストクラブの店長から『店のナンバーワンホストを私物化したのだから1000万円を払え!!』とすごまれたので、どうすることもできなくなっていた。
どうすることもできなくなったアタシは、高松で暮らしている義母の兄夫婦の家に助けを求めた。
義母の兄夫婦は、弁護士さんを立ててアタシがトラブったホストがらみのトラブルを解決してくださった。
しかし、アタシは義母の兄嫁から『バツとして再婚をしなさい!!今度はダンナさんと仲良く暮らしなさい!!女の幸せは結婚をして赤ちゃんを産むことなのよ!!言うことを聞きなさい!!』と激しく言われた。
アタシは、義母の兄嫁の言葉に対して反論をする気力は残っていなかったので、仕方なく再婚をすることにした。
アタシの再婚相手は、義母の兄嫁の知り合いの次男さんで年金機構の職員のあきよしさんであった。
アタシは、仕方なくあきよしさん…いえ、あきよしと再婚をした。
アタシは、がまんばかりを押し通してまであきよしと再婚をしたので、再婚をして早々に大きくつまずいてしまった。
この時、新たな悲劇が始まりをつげた。
3度目の悲劇は、あきよしが仕事中にうっかりミスを起こしたことが原因で、事件が発生したところから始まった。
しかし、来て早々に面接官から『だれが面接に来てもいいと言ったのだ!?』と凄まれたので、アタシは面接官とドカバキの大ゲンカをしたあげくに再び放浪生活を送ることになった。
中卒で資格特技がない上に、シューカツでアピールできるセールスポイントがひとつもない状況下では再就職がよりむずかしいようだ。
かと言うて、高校や大学を卒業して資格特技があってセールスポイントがあっても、再就職ができると言う保証があるのかと言うと、保証がないと言うのが実情である。
名古屋で再就職をすることをあきらめたアタシは、再び関西へ引き返すことを決めて旅に出た。
アタシは、大阪と神戸の飲食店やコンビニやデリヘル店などを中心に生活のために働いていた。
ごんぞうが亡くなった時に支払われた1億円の保険金だけでも生きて行くには困らへんかったけど、知らないうちにふところからおカネが出て行くことには変わりはなかった。
アタシは、ごんぞうと離婚をしたことが原因で新しい恋を始めることも再婚をすること…そして、赤ちゃんを産んで育てることを完全にあきらめて女ひとりで生きて行くことを決意して3年6ヶ月の間生きてきたので、恋のよろこびをなくしていた。
女の幸せって…
何なのかな…
結婚をして、赤ちゃんを産んで育てて…
ダンナのためにおいしい料理を作ることが女の幸せなのだろうか…
ひとりぼっちで大阪城公園に行っていた時に、腕を組んで歩いているカップルさんをよく見かけた時に、そんなことをつぶやいていた。
幸せいっぱいのカップルさんを見るたびに、アタシはくすんくすんと泣きじゃくっていた。
恋することはあきらめた…
結婚もあきらめた…
赤ちゃんを産んで育てることもあきらめた…
女の幸せは…
みーんなあきらめたわ…
アタシは、そんなことを思いながらくすんくすんと泣いていた。
アタシは、泣きながら大沢桃子さんの作詞の歌で『恋し浜』を繰り返して歌っていた。
恋し浜は、釜石と大船渡の間にある小さな漁町(みなとまち)で、アタシがかつて暮らしていた町であった。
2008年に発生した秋葉原の通り魔事件で逮捕起訴後に死刑となった死刑囚の男の身内と父がドカバキの大ゲンカを起こした事件の後、アタシは再び養護施設に送られて約2ヶ月近く不便な生活を強いられていた。
その時に父が『新しいお母さんが見つかったよ…今度は優しいお母さんだよ…』と電話でアタシに伝えてきた。
父は、2008年7月に大船渡市内に移って新生活の準備が整えていた。
その時に、父親は新しいお母さんと再婚をしたのと同時に、アタシは盛の中学校へ転校した。
しかし、新しいお母さんとソリが合わんかったけん、イライラしてはる時に新しいお母さんに八つ当たりをしてグーで殴ってしまうことが続いていた。
父は、アタシに対して『新しいお母さんが気に入らないのだったら出て行け!!』と怒鳴りつけていた。
思い切りキレてしまったアタシは、『この家に帰ってこないから!!』と父に怒鳴り散らして家出をした。
アタシは、父と大ゲンカを起こして家出した後、ひとりぼっちでやって来た場所が恋し浜だった。
三陸鉄道の恋し浜駅に降り立った時、アタシは遠くに見える海をながめながら『アタシの本当のお母さんはどこに行ってしまったのかな…本当のお母さんはどこにいるのかな…』とつぶやきながらくすんくすんと泣きじゃくっていた。
家出をしてから10日後に、アタシは釜石の魚市場の近くの通りで警察官に保護された。
この時に、父がまた夫婦間で取り返しのつかないトラブルを起こしていたので、また施設に送られてしまった。
あの日…
アタシがひとりぼっちで降り立った恋し浜の駅からながめた海の風景は…
波静かで、おだやかな海だったわ…
アタシは、あの時見た恋し浜の駅の風景と東日本大震災の時に灼熱の巨大津波にのまれてゆく気仙沼の市街地の様子をみたことを思い出たので、『恋し浜』の歌を泣きながら繰り返して歌っていた。
恋するよろこびをなくしてしまったアタシは、知らないうちに男がらみのトラブルを繰り返すようになっていた。
アタシは、2019年6月にホストを私物化したことが原因できついはずかしめを受けてボロボロに傷ついた上にホストクラブの店長から『店のナンバーワンホストを私物化したのだから1000万円を払え!!』とすごまれたので、どうすることもできなくなっていた。
どうすることもできなくなったアタシは、高松で暮らしている義母の兄夫婦の家に助けを求めた。
義母の兄夫婦は、弁護士さんを立ててアタシがトラブったホストがらみのトラブルを解決してくださった。
しかし、アタシは義母の兄嫁から『バツとして再婚をしなさい!!今度はダンナさんと仲良く暮らしなさい!!女の幸せは結婚をして赤ちゃんを産むことなのよ!!言うことを聞きなさい!!』と激しく言われた。
アタシは、義母の兄嫁の言葉に対して反論をする気力は残っていなかったので、仕方なく再婚をすることにした。
アタシの再婚相手は、義母の兄嫁の知り合いの次男さんで年金機構の職員のあきよしさんであった。
アタシは、仕方なくあきよしさん…いえ、あきよしと再婚をした。
アタシは、がまんばかりを押し通してまであきよしと再婚をしたので、再婚をして早々に大きくつまずいてしまった。
この時、新たな悲劇が始まりをつげた。
3度目の悲劇は、あきよしが仕事中にうっかりミスを起こしたことが原因で、事件が発生したところから始まった。