雨のリフレイン
人当たりがよくて、誰からも好かれる。来るもの拒まず、去るもの追わず。要領がよくて、何ごとも卒なくこなす。適当に見えるが、実は計算して動いているクセ者。それが、一条翔太。拓人が絶対の信頼を置くイトコだ。

「これで、完璧に水上先生はこっちのものだな。全てお前の思い通りってわけだ」
「おいおい、人聞きの悪い言い方はよせよ、拓人。
後妻の件は、単純に親友の為を思って出来る限りの協力をしただけだぞ?
俺は親友として、洸平の能力を一番分かってる。だからこそ洸平が力を最大限に発揮できる舞台を用意しただけ」

翔太が自分の手のひらを見つめながら、呟く。

「…世の中には生まれながらに素晴らしい才能を持っている人間がいる。それは、努力では掴めない神さまからのギフト。洸平が持つ手術の才能は、そのギフトさ。
俺には、与えられなかったギフトだ」

「だが、お前はその天才を手に入れた」

翔太は、口元に笑みをたたえ、小さく首を横に振った。

「洸平は、親友だ。手に入れるような駒じゃない。ただ、その絆がより強固になっただけさ」
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