雨のリフレイン
「相変わらず、柊子ちゃんに冷たいわね、水上先生」


相手にしてもらえず、しょぼんとしている柊子に山田師長が優しく声をかけてくれた。


「しょうがありません。水上先生に認めてもらえるように、もっと頑張らなきゃ」






「…今の医者が、柊子さんの想い人なのかい?」
「桜木さん!?」


眠っているとばかり思っていた桜木が、目を開けて柊子を見ていた。


「オヤジ、気分はいかがですか?」

翔太がすぐに診察を始める。

「あぁ。
また、死にそこなった。
でもよぉ。今回は、悪い気分はしねぇな。
柊子さんにもらった宿題がまだだからよ」
「柊子ちゃんの宿題?柊子ちゃん、オヤジに何を?」
「翔太には教えねぇよ」
「えー、秘密の宿題?ますます気になる!
…うん。安定した。退院は少し伸ばすけど、大丈夫」


翔太の診察が終わり、許可が出て、柊子はそっと桜木の側に歩み寄る。

「桜木さん、すみません。私、明日から学校があって…」
「あぁ。勉強第一。柊子さんが立派な看護師になるまでは、くたばらねぇよ。
柊子さんのおかげで今回の検査入院は悪くなかった。暇な時は、あの宿題をずっと考えてた。
なかなか良い答えが見つからなくてよ。
気の利いた言葉なんぞ、今までいくらでも吐いてきたはずなのにな。
…翔太、師長さん。すまねぇが柊子さんと二人にしてもらえねぇか?」
「ハイハイ。じゃ、翔太先生、行きましょう。
柊子ちゃん、お疲れ様。
明日から仕事はしばらくお休みね?
春休みになったら、またお願い」


気になって目を輝かせる翔太を連れて、山田師長は病室を出て行く。

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