雨のリフレイン
「色々、考えたんだ。
会いたかったと言うか?いや、向こうは会いたくないと思っているかもしれない。
もしかしたら今頃、好きなヤツでも出来て、幸せにいるかもしれない。
あるいは、ずっと俺のことを思っていてくれて、待っていてくれる。
なんて都合の良い事考えたり。
幸い考える時間はたっぷりあったからな」


「向こうの世界の事はわかりませんからね。
生きてる私たちに都合のいいように、想像しましょう。
きっと、待っていてくれてますよ。桜木さんのこと」
「あぁ。そうだな。
だから、俺は、アイツらに会えたらまず、こう言おうと思ってる。


話したいことが、たくさんあるんだ、と。


アイツらを失って、どうやって生きてきたか。
どれほど、会いたかったか。
一つずつ話して、思いを伝えたい。
少しでもたくさん話をしたいから。
だから、俺は生きるよ」


そう告げた桜木の目は、生きる力が宿ったように輝いてみえた。
桜木にとって、思い出は沢山あった方がいいのだ。

感動して柊子の胸が震える。


「そこまで桜木さんに思ってもらえて。
奥様と娘さんが羨ましい。
私なんてどんなに好きでも、相手にすらしてもらえなくて。
諦めませんけどね」

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