*続*不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
母が病気で他界したのは、小三の時だった。

父は都内の老舗料亭の板前でいつも帰宅が遅いため、私は三人の兄に育てられた。

男ばかりに囲まれての生活を心配した兄たちは、三人で相談して私を高校も大学も女子校に通わせたのだ。

兄たちが私を溺愛しているのも、私の恋愛にことごとく干渉してきたのもそのせいで、両親に代わり私の話もよく聞いてくれた。

なかでも何でも私が話をしたのは和にぃで、最後まで付き合うことも結婚も反対していたのも和にぃだった。

理由は『アイツはイケメンだから』

恋愛経験などほぼゼロな私(もっともこれは兄たちのせいなんだけど)は、イケメンな蓮司の女性関係に悩むはずだからと。


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