*続*不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
「なぁ、明莉」

お墓参りの帰りの車中、流れていた音楽を口ずさんでいる私の
名前を和にぃが呼んだ。

「さっき母さんに言ってたけど、蓮司は…格好良くて格好悪いのか?」

「 …うん。
 
でも、全部私には格好良く思えるんだけどね。

ほらっ!結婚を認めてほしくて家に来たときだって…」

思い出してクスクス笑うと、和にぃもあの時のことを思い出したのか吹き出して笑いだした。

「あいつ、最後に逆ギレしたよな。
裏表のない素直なアイツ見てたらさ、隠し事なんてできるような器用なやつじゃないなって思ったんだ。

この先、浮気なんてすることもなく明莉を大事にしてくれる。

今も毎日明莉にべったりだろ?
どうせ」

ちらりと私に視線を向けた和にぃは、真っ赤な顔をした私を見てフッと笑い

「しょうがないな。
今日はこのまま帰してやるか。
夕飯はまた今度蓮司も一緒にいこうな」

とハンドルから離した大きな手が、私の頭を優しく撫でた。
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