*続*不機嫌な彼と恋のマジックドライビング
「お人好しでなんだかんだいってアイツは優しいからな。

過去の女や知り合いの女がらみで、親身になりすぎて明莉を泣かすんじゃないかって。

それだけが心配だ」

和にぃの言葉に碧さんのことが頭に浮かんだ。

つい最近…ご主人とお店に来た。

車イスのご主人に、私も呼ばれて挨拶をした。

「俺の嫁さんです」

と照れながら私を紹介する蓮司に…

思わずきゅんとした。

昔の蓮司を知っている二人は、そんな蓮司を見て目を丸くして…それからご主人は肩を揺らして笑いだした。

「碧を横取りしたことずっと気にしてたんだけど……ほっとした。

お前も…そんな顔するんだな」

「しますって!

俺、滅茶苦茶惚れてますから。

中津さんも…碧を絶対に離さないでくださいね」

「…ほんとは今日…香田に会うまで疑ってた。

碧が浮気してるんじゃないかって。

それならそれで仕方ないよなって。

やったことが返ってきたんだなって諦めてた。

香田に碧を幸せにしてもらおうと思って…それを頼むつもりで今日来たんだ」

ご主人がぎゅっと固く拳を握りしめて顔を歪めた。


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